Human Support 株式会社百人力

昇給したのに辞めるのはなぜ?評価がお金よりも大きな報酬になる理由

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人が辞めない会社は、給料だけでなく「評価」を伝えている

「昇給したのに思ったより喜ばれなかった」

「賞与を増やしたのに反応が薄かった」

「昇格させたのに退職してしまった」

そんな経験はないでしょうか。

人手不足が深刻化する今、多くの企業が給与アップや待遇改善に取り組んでいます。

もちろんそれは大切なことです。

しかし、私たちは人材派遣や採用支援を通じて数多くの企業を見てきましたが、長く人が定着する会社にはある共通点があります。

それは、

「お金だけでなく評価を伝えていること」

です。

従業員は給料のために働きます。

しかし、給料だけのために働いているわけではありません。

会社からどう評価されているのか。

自分の頑張りを見てもらえているのか。

実はこうした感情の部分が、定着やモチベーションに大きな影響を与えています。


中小企業ほど評価が感覚になりやすい

中小企業では評価制度が整備されていないことも珍しくありません。

そのため、

  • 頑張っているから昇給
  • 長く勤めているから昇給
  • 年齢が上だから少し多めに昇給

といった判断になることがあります。

もちろん悪意があるわけではありません。

従業員に報いたいという気持ちからの判断です。

しかし問題は、

「なぜその評価になったのか」を説明していないこと

です。

報酬アップの理由が伝わらなければ、従業員は自分が何を評価されたのか分かりません。

そして組織には必ず比較が発生します。


人は給料そのものより評価を比較している

「評価なんてどうでもいいから給料を上げてほしい」

そう思う従業員もいるでしょう。

個人で考えればその通りかもしれません。

しかし会社は組織です。

2人以上の人間が働いている以上、必ず比較が生まれます。

  • なぜあの人と同じ給料なのか
  • なぜ自分より賞与が高いのか
  • なぜあの人が昇格したのか

従業員が気にしているのは金額だけではありません。

会社が自分をどう評価しているのか

なのです。


実際にあった「1,000円の差」で退職した事例

私が以前所属していた会社で実際にあった話です。

30代と40代の女性事務スタッフがいました。

二人とも同じ時期に入社し、勤続年数もほぼ同じ。

仕事のレベルにも大きな差はありませんでした。

会社の業績が好調だったため、二人とも昇給することになりました。

30代女性は9,000円アップ。

40代女性は10,000円アップ。

差額はわずか1,000円です。

後日、30代女性が上司に質問しました。

「なぜ私だけ1,000円少ないのでしょうか?」

上司の回答は、

「特に理由はないけど、なんとなく年上だから。」

でした。

その後、30代女性は退職しました。


彼女が辞めた理由は1,000円ではない

多くの人は、

「たった1,000円で辞めるの?」

と思うかもしれません。

しかし彼女が不満だったのは金額ではありません。

評価です。

彼女は、

「会社は私の方を低く評価している」

と受け取ったのです。

実際には会社にその意図はなかったでしょう。

ただ説明がなかった。

それだけです。

もし、

  • 業務改善提案
  • 後輩育成
  • 資格取得
  • 担当業務の範囲

など明確な基準があり、

「この部分を評価して差をつけた」

と説明できていれば結果は違っていたかもしれません。

人間関係が悪かったわけではありません。

会社の評価基準に納得できなかったのです。


同じ給料でも不満は生まれる

現場ではこんな声をよく聞きます。

「自分の方が仕事をしているのに給料が同じなのはおかしい」

「あの人と同じ評価なのが納得できない」

つまり不満の原因は金額ではなく、

評価の公平性

なのです。

仮に給料が同じでも、

「会社は自分をしっかり見てくれている」

と感じれば納得できます。

逆に給料が高くても、

「評価されていない」

と感じれば不満が生じます。


評価されない賞与はそのうち当たり前になる

例えば毎年全員に10万円の賞与を支給している会社があるとします。

最初は喜ばれるでしょう。

しかし数年続くと、

「今年も10万円か」

になります。

感謝より期待が先に来ます。

そして、

  • 頑張っても同じ
  • 成果を出しても同じ

という不満が生まれます。

お金だけの報酬は慣れてしまいます。

しかし、

  • なぜ評価されたのか
  • どこを評価されたのか
  • 次に何を期待しているのか

を伝える評価は長く従業員の心に残ります。


初めて評価制度を導入するなら難しく考えなくていい

ここまで読んで、

「評価が大切なのは分かったけど、評価制度なんて作れない」

と思われた方もいるかもしれません。

しかし最初から完璧な制度を作る必要はありません。

むしろ最初から複雑な制度を作ろうとすると失敗することが多いです。

大切なのは、

どんな人材に成長してほしいのか

を明確にすることです。

例えば、

  • 挨拶ができる人
  • 仕事が丁寧な人
  • 仕事が速い人
  • 周囲と協力できる人

こんなレベルから始めれば十分です。


求める人材像を少しだけ具体化する

次に、その項目を具体的な行動へ落とし込みます。

例えば、

挨拶ができる

であれば、

  • 出社時に従業員同士で挨拶している
  • お客様に笑顔とお辞儀で挨拶している
  • 電話応対時の第一声が明るい

仕事が丁寧

であれば、

  • ミスの件数が少ない
  • 報告・連絡・相談ができている
  • 作業手順を守っている
  • ダブルチェックを実施している

仕事が速い

であれば、

  • 期限内に業務を完了している
  • 優先順位を考えて行動している
  • 周囲の業務を止めない

といった形です。

評価制度とは難しいものではありません。

会社が求める行動を言葉にする作業です。


評価制度を導入すると必ず不満は出る

評価制度を導入すると必ずと言っていいほど不満が出ます。

  • 評価項目が分かりにくい
  • 評価結果に納得できない
  • 見るべき項目が足りない
  • 人によって評価が違う

こうした声が出てきます。

しかしこれは悪いことではありません。

評価制度が見える化されたからこそ出てきた不満だからです。

評価制度がなければ不満は表面化しません。

その代わり、

退職

モチベーション低下

陰口や不信感

という形で現れます。

つまり、

不満=改善点

なのです。

評価制度は作って終わりではありません。

運用しながら改善していくものです。


従業員の意見を聞きすぎないことも大切

ただし注意点があります。

それは従業員の意見に寄り過ぎないことです。

もちろん現場の声は大切です。

しかし評価制度の目的は、

従業員を満足させることではありません。

会社が求める人材に成長してもらうことです。

評価制度は会社の方向性そのものです。

従業員の要望だけで評価項目を決めてしまうと、

本来育てたい人材像からズレてしまうことがあります。

大切なのは、

会社の理念や方針を軸に改善を続けることです。


評価制度は会社に合う人材を見極める仕組みにもなる

実際に評価制度を導入すると、

会社が求める方向へ成長しようとする人と、

そうでない人が見えるようになります。

もちろん制度への疑問や改善提案は健全なことです。

しかし会社が大切にしている価値観や行動基準そのものに共感できない場合、

会社と本人の方向性が一致していない可能性があります。

評価制度は単なる査定ではありません。

会社の価値観を共有し、

共に成長できる人材を育てるための仕組みです。


人手不足を解決するのは採用だけではない

人手不足になると、多くの企業は採用活動を強化します。

もちろん採用は重要です。

しかし、

採用した人が辞め続ける状態では根本的な解決にはなりません。

本当に必要なのは、

採用

教育

評価

定着

までを一つの仕組みとして考えることです。

私たちは日々、多くの企業の採用や定着支援を行っています。

その中で感じるのは、

人が辞めない会社ほど評価が明確であるということです。

評価はお金以上の報酬になります。

そしてその積み重ねが信頼を生み、定着につながります。

「採用しても定着しない」

「評価制度を整備したい」

「現場の不満を減らしたい」

そんなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

採用だけではなく、定着まで見据えた組織づくりをサポートいたします。

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