「新卒採用を始めれば”会社”が変わりますよ」
「是非この機会に始めてみてはいかがですか？」

広告代理店の営業マンからこのようなトークで、新卒採用の広告掲載を勧められた経験のある経営者様、採用ご担当者様は多いのではないでしょうか？

新卒を採用すれば「具体的に会社の何が変わるんですか？」

営業マンの答え
「会社の雰囲気が変わります」
「先輩社員の刺激になります」
・・・

「ん？結局何が変わるの？」
と疑問を持ちつつも”会社が良い方向に変わっていくのなら”と、
この答えを見つけないまま新卒採用を開始される企業が多くあります。
その結果…

「新卒を採用したけど」
・使えない
・役に立たない
・すぐに辞める

結局、新卒採用って手間が掛かるだけで何のメリットも感じなかった。
という結果に終わってしまう企業が大半です。

残念ながら、新卒を採用したらといって会社が自動的に変わることはありません。
新卒採用で会社を変えたいなら、”何が変わっていくのか”または”何を変えたいのか”を意識することが重要です。

皆さんもご存じの通り、
筋トレはどこを鍛えているのか意識せずに行うのと、”ココを鍛えている”と意識して行うのとでは、その効果に大きな差が出てくることは有名です。

新卒採用も同じく「会社の何が変わるのか」を意識して始めることが重要です。
そこで今回は、新卒を採用することで変わる代表的なものを3つご紹介させていただきます。

１．会社の目標が変わる

「新卒採用をする意味ってあるんですか？」
新卒採用を始めようとすると既存社員の誰かから必ず上がってくる、不満に近い質問です。
しかし、この質問にしっかり向き合わず、新卒採用を始めてしまうと「手間が掛かるだけで、採用する意味はなかった」になってしまいますので、怒りを抑えて答えを考えてみてください。

答えを検討するときのポイントは、
以下の質問に変え、既存社員に投げ返してみることです。

「新卒採用が必要ない理由は？」

この質問に対する答えはすぐに出てきます。
　・今必要なのは即戦力でしょ！
　・育てている余裕は現場にない
　・そこに予算を割くなら〇〇を導入してほしい
　・今は売上を伸ばすことが優先ですよね
などなど、これらに近い理由がたくさん出てきます。
新卒採用が必要ない理由にはある特徴があります。

〇新卒採用が必要ない理由　⇒　現在思考
〇新卒採用が必要な理由　　⇒　未来思考

現状を維持するためなら新卒採用を行う意味はありません。
では5年後、10年後の会社に視点を変えればどうでしょうか？
新たな取り組みを始めたり、その時活躍する人材の必要性を認識できると思います。

このように新卒採用について社内で議論することで、未来の会社について考えるきっかけとなります。
「新卒採用の必要性を考える　＝　未来の会社について考える」
未来の会社について考えた時、会社が悪くなるよう考える人はいないと思います。
「今よりも良くするためにはどうすれば良いだろう」という発想で議論をすることになります。
「未来の会社の姿＝目標」になるので、これを社員全員が想像し、共有することで従業員の意識変革、行動変革へとつなげることができます。

２．会社の評価制度が変わる

「5年後、10年後会社をこうしていきたい」という目標ができると、その目標を達成するためにどのような人材が必要なのかが見えてきます。
その人材像を以下の項目に分けて箇条書きにし、見える化してください。

【求める人材像】
　①能力・スキル・知識
　②思考・行動
　③感情面（情意）

いかがでしょうか？
そのまま人事考課の項目になっていませんか？
中小企業の経営者様は人事考課（評価）に課題を持っておられることが多いですが、新卒採用を始めるとこれも同時に解決することができます。

３．会社の教育が変わる

求める人材像まで出来上がると、その人材を育てていくためにはどのような知識、経験が必要なのかが見えてきます。そうすると必然的に研修制度の大枠が出来上がってきます。

このように新卒採用を始めると、

　新卒採用を検討　⇒　会社の目標　⇒　求める人材像　⇒　評価制度　⇒　教育制度

会社の根幹である人事制度が変化していくので、そこで働く従業員の意識や行動が変わり、会社も変化していきます。

このように中小企業が新卒採用を始めることで会社が大きく変化する可能性は大きいです。
しかしながら、とりあえず新卒採用をスタートしても大きな変化は起こりません。
新卒採用で会社の何が変わるのか？または、何を変えたいのかを意識し、採用活動をスタートすることをお勧めいたします。