「会社の将来を考え、当社も新卒採用を始めたい！」
でも採用ってどれくらい費用かかるの？という経営者様、人事担当者様が多いのではないでしょうか。アルバイトや中途の採用であれば、求人サイトに求人広告を掲載すればすぐに採用活動を始められますが、新卒採用は求人掲載から入社までに約1年6か月もかかるため、事前に採用計画を作成しておく必要があります。例えば、インターンシップ、合同説明会、個別説明会、面接・選考、OB/OG訪問、内定式等の様々な企画を盛り込みながら学生の入社意欲を高めていかなければなりません。ですので、採用予算を知るために、まず自社で「大まかな採用計画」を立て、その計画に基づいた見積りを求人広告会社に提案してもらう必要があります。そこで今回は、予算作成用の採用計画の立て方についてご紹介させていただきます。

１．採用目標人数の設定

採用予算を立てる上で、一番最初に決めなければならないのが「採用目標人数」です。
採用人数は各企業の規模や状況によって異なるため、設定方法に明確なルールやセオリーはありません。ただし、初めて採用目標人数を設定される場合、注意していただきたいことが１点あります。それは採用人数の”下限数と上限数を設定する”ことです。なぜなら、新卒採用は内定期間が長いため、辞退数の読み込みが非常に難しく、初めての場合は過去データもありません。ですので内定辞退率を小さく読み込みすぎて入社ゼロになってしまったり、予想以上に入社人数が多くなり、人件費の大幅増で経営を圧迫してしまうという事例もあります。要はピッタリを狙いすぎると失敗する確率が上がるということです。初めて新卒採用を計画される場合は、2名以上5名以下という幅を持った採用目標人数の設定をお勧めいたします。

２．採用フローの作成

次に入社までの流れ（採用フロー）をざっくりと作っていきます。採用フローは、入社から逆算で作成することをお勧めいたします。例えば、「入社⇒内定⇒社長面接⇒人事面接⇒説明会⇒説明会予約⇒エントリー」というような流れで作成し、各セクションに参加する学生数を適当に入れていきます。
例えば、採用目標人数が5名の場合、以下のように計画できます。

入社5名⇒内定10名⇒社長面接20名⇒人事面接40名⇒説明会160名⇒説明会予約200名⇒エントリー800名

「多分、移行率は50％くらいかなぁ」という感じでざっくりした数字を入れてみてください。最終的に「エントリー数」にたどり着きます。これがいわゆる「母集団」と呼ばれるもので、この数字を基に求人広告会社が企画・見積りを提案してくれます。新卒採用ではこの母集団の形成に最も予算が掛かるため、エントリー数の把握ができれば採用予算の全貌が見えてきます。

３．採用フローの修正

予算・企画の全貌が見えてきたら、次は採用フローの見直しを行っていきます。見直すべき部分は各セクションの「移行率」です。最初に作成した採用フローの各セクションの移行率にプラス5％、マイナス5％したものをそれぞれ作成してください。上記例を使用すると以下のようになります。

【作成例】
①最初の採用フロー
入社5名⇒内定10名⇒社長面接20名⇒人事面接40名⇒説明会160名⇒説明会予約200名⇒エントリー800名

②5％アップ
入社5名⇒内定9名⇒社長面接16名⇒人事面接29名⇒説明会96名　⇒説明会予約113名⇒エントリー377名

③5％ダウン
入社5名⇒内定11名⇒社長面接24名⇒人事面接53名⇒説明会265名⇒説明会予約353名⇒エントリー1765名

わずか5％の修正がエントリー数に大きな影響を及ぼすことがあります。採用活動において「母集団形成」は最も重要な課題の一つです。しかしながら、知名度の低い中小企業がエントリー数の獲得にこだわると莫大なコストが掛かってしまいます。ですので、最初に母集団形成（エントリー数の獲得）方法を検討するのではなく、各セクションの移行率をあげる施策検討から始めていただくことをお勧めいたします。

４．再見積もり

採用フローの見直しが終わったら、求人広告会社に再見積もりを依頼してください。再見積もりの際には少なくとも２社以上に依頼することをお勧めします。担当者によって貴社の考えを読み取ってしっかりと企画・見積りしてくる会社と形式的に数字を合わせてくる会社があります。新卒採用は年間ベースで契約することが多いので途中で企画を変更するのが難しいです（追加はできます）。規模の大小ではなく、貴社の計画を理解し、適切なアドバイスをくれるような会社を選ぶようにしましょう。

「まとめの文章」を追加することは良いアイデアです。まとめを通じて、読者に本文の要点を簡潔に振り返らせることができ、理解を深める助けになります。以下は「まとめの文章」の一例です。

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